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【婦人科】卵巣がんの診断と治療について

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 卵巣癌はサイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれているのを知っていますか。自覚症状のないまま進行し、あっという間に亡くなってしまうこの病気をよく表しているニックネームです。実際、毎年1万人弱がこの病気にかかり、その41%が5年以内に亡くなっています。これは子宮頸癌や体癌と比較しても最も多くなっています。どうして卵巣癌は死亡率が高いのでしょうか。

 その原因は、①症状に乏しく、早期発見が困難。②腹腔内に露出した状態で存在するため、すぐに腹腔内全体に播種するためです。

 このような怖い病気から身を守る診断法・治療法を解説します。

 1、診断法…診断は卵巣が大きくなっていることを確認することから始まります。そのためには(腟式)超音波検査が有効です。

 2、治療法…①早期癌の場合、まず手術で両側卵巣、子宮、大網の摘除を、そして後腹膜リンパ節の廓清を行います。さらに術後6コースの抗がん剤の治療を行います。 ②進行癌の場合、摘出が可能と判断した場合、上記の手術を試みますが、困難と判断した場合には、まず抗がん剤の治療を開始し、癌が小さくなった段階で、それを摘出します。その後さらに抗がん剤治療を追加します。最近ではこの時、分子標的治療薬を併用するようになり治療効果がさらに向上しています。

 超音波検査で早期発見につとめるとともに、たとえ進行癌であっても決してあきらめずに婦人科腫瘍専門医にご相談ください。

【2017年12月15日号】


和泉市立病院
婦人科
特別顧問 梅咲 直彦
(日本産科婦人科学会専門医・指導医/日本婦人科腫瘍学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医/日本産婦人科乳腺医学会乳腺疾患認定医
前和歌山県立医大産婦人科教授)
和泉市府中町4丁目10-10 ☎0725(41)1331
https://izumi.tokushukai.or.jp/